田村合名(たむらごうめい)さんへの蔵訪問記





【 蔵元さんの基礎情報 】
蔵元名:田村 合名会社
代表者:桑鶴 一良(くわづる かずよし)
杜 氏:蓮香 健史(はすか けんし)
住 所:〒891-0516 鹿児島県指宿市山川成川7351−2 [地図]
TEL:0993-34-0057
公式HP:https://junkuro.jp/
SNS:Facebook
SNS:Instagram
代表銘柄:『純黒』『薩摩乃薫』
創 業:明治30年(1897年)。2024年現在127年目



※ 田村合名会社さんのことを通称「田村合名」と呼び、桑鶴さんをはじめ蔵の方も田村合名と呼んでいますので、この訪問記でも田村合名と記載させていただきます。





訪問日
 一回目:2024/7/25

オフシーズン期に伺いました。ビン洗い他床のペンキ塗りなど設備のメンテナンスを行っていました。



蔵は海まで40mくらい、海抜1mくらい?の海のすぐ側にあります。隔てる堤防はコンクリートブロック1枚ぶんくらい。今にも溢れそうでした。

少し前からイルカが見えるそうです。桜島が浮かぶ錦江湾にはイルカが生息していますが、蔵からイルカが見えるなんてこの蔵だけでは?


イルカの見える蔵事務所





【 製造場について 】

製造場(外観)

事務所の正面に建つ青い建物が製造場



米蒸しドラム

1t対応ですが、実際に使うお米は一日900kg。



三角棚

製造を待つ道具たち



河内商店製黒麹の種麹パッケージ

黒麹は「河内菌G型黒麹」(別名:黒麹ゴールド)を使います。



一次仕込みに使用される甕

甕壺の隣は台を作って2階建てのようになっており、2階部分で麹を造り、出来た麹を下の甕壺へ入れることで一次仕込みを行います。
地熱が高いため甕を浅く埋めています。冬場に甕の中に入ると温かいそうです。
素焼きの和甕は現在作られていないため、大事に補修しながら創業以来使い続けられています。
製造を前に甕の漏れチェックをしていましたが、前日にフチまで水を入れたところ1cmほど水位が下がっていた甕があり、これからパテ埋めするそうです。ピンホールのような漏れ箇所を探し当てるのは難しそうです。



二次仕込み

通常商品はステンレスタンク。
「甕壺仕込み純黒」と「鷲尾」のみ二次仕込みも甕壺で行います。



蒸留器

蒸留器は常圧蒸留器が2台ありどちらも河内式の初期の型(昭和54年製)。ピカピカのステンレス製ですが厚みがかなり薄いとのこと



甕壺仕込みといえば、醪を混ぜるときに「櫂棒(かいぼう)」を使いますが、元もとは四角い角材だったものが、徐々に削られ丸みを帯びた独特の形になります。



原酒の貯蔵場

蒸留され、製品化まで眠りにつく貯蔵庫(貯蔵タンク)
貯蔵場所はココだけということで、タンクの数がないので銘柄数をあまり増やせません。



芋畑(契約栽培)

原料のサツマイモはすべて契約栽培されており、畑は開聞岳の麓にある徳光(とっこう)地区にあります。
土質が特徴的で砂利サイズでコロコロしています。素人目にも開聞岳の噴火由来だろうと考えます。
琉球からサツマイモの苗を持ち帰った前田利右衛門(漁師)は、このあたりでサツマイモを栽培することに成功し、栽培技術も全国に広がり多くの人々を飢餓から救いました。前田利右衛門を称える徳光神社が近くにあります。
指宿、浜児ヶ水、岡児ケ水、徳光、など、難読な地名が集まりおもしろい。





【 製造について 】
◎ 製造期間
  2024BYは、9月はじめに開始、11月に終了の予定


◎ 米
  すべて国産の丸米を使用


◎ 芋
  すべて契約栽培された地元の芋を使用
  徳光地区の芋畑は広い平地のため目が届きやすく、芋に異常があればすぐに気付けるため対策が早く、納入されるさつま芋はすべてキレイ。
  芋の両端カットはしない方針であることと納入される芋はキレイないためほとんど削ることが無く、大きすぎる芋を割る作業が主ということでした。


◎ 仕込み配合
  ひと仕込みあたり
   米:900kg
   芋:4,500kg


◎ 仕込み日数
 一次仕込み
  全銘柄甕壺仕込み
  6日間醗酵させ、二次仕込みに使用


 二次仕込み
  ステンレスタンク
  「甕壺仕込み純黒」と「鷲尾」のみ二次仕込みも甕壺
  9日目に蒸留





主な銘柄紹介

【 純黒 】
720ml / 900ml / 1,800ml


地元産の芋を黒麹で仕込んだ王道の味わい。

一次仕込み:甕壺 / 二次仕込み:ステンレスタンク


芋焼酎といえば白麹で造られたものが大半を占めている時代(1980年代後半)に、黒麹の芋焼酎としていち早く商品化された銘柄です。

現在は出荷の9割近くが純黒ということです。

(現在は一般的な)冷却濾過を行わないため味わいたっぷり。「黒麹らしさ」を存分に味わえます。


【 ご購入はこちらから 】





【 薩摩乃薫 】
900ml / 1,800ml


明治30年の創業期より地元で親しまれている銘柄

一次仕込み:甕壺 / 二次仕込み:ステンレスタンク


白麹の銘柄で、主に地元で消費されています。

濾過もゆるくしっかりとした味わいは「白麹らしい」やわらかな味わいを楽しめます。

純黒と飲み比べると麹の違いがよくわかるかと思います。


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当店取り扱いの 田村合名様 銘柄一覧




 

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