吉永酒造(よしながしゅぞう)さんへの蔵訪問記





【 蔵元さんの基礎情報 】
蔵元名:吉永酒造 有限会社
代表者:吉永 章一(五代目)(よしなが しょういち)
杜 氏:吉永 章一
住 所:〒891-0403 鹿児島県指宿市十二町645番地 [地図]
TEL:0993-22-3015
公式HP:https://yoshinagashuzo.wixsite.com/index
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Blog :古いですが写真豊富なオススメブログ
代表銘柄:『利八』
創 業:明治38年(1905年)。2024年現在119年目





訪問日
 一回目:2024/7/25
   オフシーズン期に伺いました。ちょうどボイラーの入れ替え工事を行っていました。
   (蔵の中がゴチャついているのはそのためですのでご了承を)



指宿駅(いぶすき)にほど近い住宅街の一角に蔵があります。

奥は広いですが入口が一般家屋風、蔵自体も70年以上の和式の建物で高い煙突も無く、地域に溶け込みすぎて看板が無いと通り過ぎそうです。


銘柄はほとんど「利八」
蒸留したてむろか利八、濾過したて利八、夏の利八、利八ジョイホワイト、など、麹違い、芋違いの利八があります。

蔵元兼杜氏の章一氏はかなり若く、ダジャレも好まれる様子。
「末広がりの八のつく日は、『利八の日』」として、毎月SNSへの投稿を欠かしません。

タブレットで製造工程を説明してくださる章一氏
醗酵の様子などをキャプション入りの動画で解説されるのでわかりやすい(動画ほしい!)





【 製造場について 】

仕込み水は地下水。三角棚の隣に井戸ポンプがある。


河内式の製麹ドラムと三角棚で麹を造ります。
どちらも小さくかわいいサイズ感ですが、米400kgに対応しているそうです。

実際に使う米の量は一日300kg


一次仕込みは全銘柄甕壺仕込み。

甕は創業当時から使用している備前焼。容量はおよそ550リットル。手作りの焼き物ですので容量も形も一つ一つ異なります。
大雨時には地下水位が上昇し甕が浮くことがあるそう。そのような時は甕に水を溜めるそうです。


二次仕込みはホーロータンク


芋蒸し器は今では珍しくなった鉄製で、二次仕込時はスコップで掻き出し、最後は人が中に入る方式。暑くかなりの重労働。



二次仕込み用の櫂棒。使ってわかるこの形。



蒸留器は常圧蒸留機が1台



ラベルは全部手張り。

手張りと言っても糊付けは道具を使うことが多いですが、糊も指で付ける本当に手作業。ラベルに指でノリをつけて、瓶に貼り、はみ出たノリを拭きあげる。すごい手際の良さ。





【 製造について 】
◎ 製造期間
  2024BYは、およそ2ヶ月間の製造予定
  年間製造量は 300石弱


◎ 芋
  近隣の頴娃(えい)、山川(やまがわ)産の芋を使用


◎ 仕込み配合
  ひと仕込みあたり
   米:300kg
   芋:1,500kg


◎ 一次仕込み
  全銘柄甕壺仕込み


◎ 二次仕込み
  ホーロータンク





主な銘柄紹介

【 利八(白) 】
720ml / 900ml / 1,800ml


コガネセンガンを白麹で醸した、最もベーシックであり個人的に最も好きな銘柄。


冷却濾過を持たない吉永酒造さんは、主に1月前後の冬場にあらわれる油をとるだけですので、油を取りすぎず味わいたっぷり。
芋臭いではなく芋の優しく甘い香りを楽しみたい方にオススメです。


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【 陶眠利八 】
1,800ml


コガネセンガンを黒麹で醸した貯蔵酒。




しっかりと熟成した原酒を創業以来100年以上使われている甕壺で寝かすことで、更に丸み・旨味が増した銘柄です。

個人的にお湯割りが好みですが、ロックの人気が高いです。

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